ファイルとディレクトリ
初めての起動
Windows では、VariCAD は初期設定で“C:\Program Files\VariCAD JP”にインストールされます。Linux では、VariCAD は初期設定で“/opt/VariCAD”にインストールされます。インストールディレクトリにはすべてのシステムファイルが含まれます。VariCAD を初めて起動するとき、設定ディレクトリは作業ディレクトリの下に作成されます。設定ファイルはシステム設定が保管されているこのディレクトリにコピーされます。2 つめのディレクトリは VariCAD スタートアップ後、自動的に作成されます。このディレクトリにはご自身の 2D/3D 図のデータ、追加データ構造、部品表などが入っています。VariCAD は新しいディレクトリが作成される度に、通知します。VariCAD が使用するまたは作成するディレクトリの定義は、作業ディレクトリ内の 1 つのファイル内だけに入っています。作業ディレクトリを変更する場合、VariCAD デスクトップアイコンを右クリックし、プロパティを選択、スタートインの行を編集します。
VariCAD ファイルの初期設定
作成ファイルは次のファイル形式で保存されます。
- *.dwb - 2D 図面と 3D ソリッドを含む 2D/3D ファイル
- *.bkb - 2D オブジェクト(旧)を含むブロックファイル
- *.sym - 2D 記号を含む記号ライブラリ
- bom_mask.bmask – BOM、属性、タイトルブロック設定
- *.mdata – 材料リスト
- *.dwb_fpv – VariCAD ファイルを含むフォルダのファイルプレビュー
VariCAD プロジェクトを他の VariCAD ユーザーへ転送する場合、これらの種類のファイルが全て含まれていることを確認してください。他のシステムに部品表の入出力で作成したデータを提供する場合は、 BOM を参照ください。 Linux では VariCAD ファイルの拡張子は小文字にする必要があります。
その他、VariCAD の設定を含んだファイルもあります。これらのファイルは、対応するコマンド(メニュー「ツール」>「すべての設定のバックアップまたは復元」)により保存されます。
2D/3D オブジェクトの他形式との相互変換
VariCAD は次の形式に対応しています。
- *.STP - STEP 3D 入出力
- *.STL - Stereolithography 3D(ラピッドプロトタイピング) 出力
- *.DWG - AutoCAD 2D 入出力 DWG translator は、AutoCAD9 から最新の AutoCAD までのファイルに対応しています。AutoCAD 12 から 最新の AutoCAD まで対応しており、VariCADの出力で作成された DWG 形式ファイルの読み込みが可能です。
- *.DXF - DWG 形式と同じ。DXF 形式は AutoCAD 以外のすべてのシステムに使用できます。
- *.IGS - IGES 3D 出力
特定のファイル形式を取り込む場合、“ファイルを開く”ウィンドウのファイルの種類フィールドでファイル種類を選択します。使用中のファイルを他形式へ出力する場合は、ファイル > 名前をつけて保存 をしてください。また、選択したオブジェクトだけを対応ファイル形式に出力したり、または対応ファイル形式からオブジェクトを 3D 空間や 2D 描画領域に取り込むこともできます。
ファイルの一括変換 - FCO |
指定のディレクトリ内で選択した形式で複数ファイルを変換する場合、ファイル > ファイルの一括変換 を使用してください。変換されたファイルは指定した別のディレクトリに書き込まれます。また、データ転送用に設定をカスタマイズできます。 DWG/DXF 変換では、単位をインチかミリメートルに設定するか、または、自動的に検知して単位が設定されます。STEP 形式ではアプリケーションプロトコル、NURBS 曲線または曲面の種類解析の使用が選択できます。変換設定する場合、ツールメニュー > システム設定オプションを使用してください。
3D オブジェクトの STEP 形式または IGES 形式への変換方法
一般的に、3D オブジェクトは NURBS 曲線で裁断された NURBS パッチとされています。いくつかのオブジェクトでは曲線とパッチが分析的に描かれます。
- 線
- 円
- 平面
- 円筒
- 円錐
- 円環面(軸周りに円を回転させて作成される)- レモン形ではない球体
ほとんどの場合、NURBS 記述で十分です。しかし、分析記述の方が早くさらに正確になり、保存する場合、より少ないメモリと保管容量で済みます。IGES 形式または STEP 形式に 3D オブジェクトを変換する場合、CFG コマンドを実行して、 IGES または STEP へ 3D オブジェクトを変換するパラメータを設定します。
STL 形式の作成
CFG コマンドを実行して、STL ファイルの作成のパラメータを設定します。STL 形式はすべての出力オブジェクトの表面を覆った三角形を含んでいます。すべての座標が正数になるようにオブジェクトを変換するかまた、座標をミリメートルかインチで表示するかどうか、近似値の精度や三角形の頂点座標の形式を選択できます。VariCAD は現在作業中のファイルからすべてのオブジェクトを出力でき、また“選択したオブジェクトを保存”機能を使えば、選択したオブジェクトを出力します。いくつかのシステムは 1 つのファイル内には 1 つのオブジェクトだけにすることを要求する場合があります。この場合、“選択したオブジェクトを保存”で、1 つのオブジェクトのみ選択します。
STL 出力設定で三角形の密度(表面補間の精度)を選択できます。事前定義の精度から選択したり、スライダーを動かして精度を設定できます。STL 出力は目で見て確認できます。次のコマンドを実行します:
STL 出力の表示をテスト – TESTSTL |
出力する 3D オブジェクトの断面
断面を持つ STEP形式、STL形式、IGES 形式への出力を選択できます。断面は表示だけで、実際の部品の形状は描写しないため、通常は断面の出力は無意味です。しかし、画像ソフトで 3D オブジェクトを画像にしたい場合、断面での出力が役立ちます。断面を持つ出力形式を選択せずに、出力ファイルの断面内にオブジェクトが含まれている場合、警告メッセージが表示され、出力は取り消されます。ファイルの一括変換ではなく、1 つのファイルを変換する場合のみ、その断面の出力が可能です。
STEP からインポートしたオブジェクト
STEP から入力したオブジェクトは、閉じたソリッドまたは開いたシェルとして表現されます。問題を検出した場合、いくつかのパッチは STEP ファイル入力中に削除される場合があります。3D オブジェクトの形状表現についての詳細は、 3D オブジェクト形状表現 を参照ください。いくつかのソリッドが正しく入力されない場合、 修復ツールを使用できます。詳細は 3D での問題の解決方法 を参照ください。
ディレクトリ
CFG コマンドを実行して、VariCAD バックアップファイルのディレクトリを設定します。バックアップにはネットワークディレクトリを使わないでください。このディレクトリは VariCAD で作成した作業中または一時ファイルに使われます。
特定のファイル種類のファイルの読み込みまたは保存するディレクトリを同じにするか、別にするかを設定できます。また、完成したファイルの読み込みまたは保存するディレクトリを同じにするか、別にするかを設定したり、作業中ファイルにファイルを取り込んだり、選択したオブジェクトだけを保存するかを設定できます。
ユーザーデータディレクトリ(2D/3D ファイル)
初期設定によって、ユーザーデータの保存または読み込みに使用するディレクトリは前回使用したものになります。ファイルの保存や読み込みに使用するディレクトリを変更したい場合、初期設定を変更します。
VariCAD で使用するすべてのディレクトリ(フォルダ)
VariCAD のすべてのシステムディレクトリの一覧を表示できます。一覧で、ディレクトリを含んだ行を右クリックし、ファイルエクスプローラ(Linux では Dolphin)でそのディレクトリを開けられます。一覧は次のディレクトリを表示します:
- 現在の作業ディレクトリ
- バックアップディレクトリ
- 設定ディレクトリ
- ファイルを開くまたは保存に前回使用したディレクトリ
- BOM マスクディレクトリ
- 材料リストのディレクトリ
- タイトルブロックディレクトリ
- ビットマップイメージ、イメージファイル出力先ディレクトリ
ディレクトリ(フォルダ)の一覧はプルダウンメニューツールまたはコマンドから呼び出せます:
システムディレクトリ一覧 – INFO |
現在作業中のファイル情報
現在作業中のファイル情報を表示できます。次の情報が一覧表示されます:
- ファイル保存時の VariCAD のバージョン
- 前回のファイル保存日時
- 前回のファイル変更日時
- 前回ファイル保存時のユーザー名、コンピューター名
- 前回ファイル変更時のユーザー名、コンピューター名
前回 VariCAD ファイルを保存または変更した際の日時とユーザー名が確認できます。
この機能はプルダウンメニューツールまたコマンドから呼び出せます:
現在作業中のファイル情報 - INFF |